オーケンとおでんのための元町ガイド

大槻ケンヂさんが神戸へやってくるのがうれしくて作成している元町案内です。

イタ飯のイタは痛車のイタではありません。

オーケンさんのインタビューが掲載されているというので、2017年2月10日発売の『クロワッサン』を買いました。
後藤武士さんと「平成」のサブカル史について語るという内容です。

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バブル期はオーケンさんでさえ、彼女をお食事に連れて行くのにロケハンをしたとか。
昔はデートに行くのはとっても気取ったもの、お金がかかるもの、だったようです。

今は、カレー屋、ラーメン屋、丼もの屋といった客単価の安い飲食店ばかり並んでいる元町界隈ですが、2000年代まではイタリアンレストランだらけでした。
いわゆる「イタ飯」屋です。

先日、会社の若い子に「イタ飯」という言葉を使うと、意味が通じませんでした。

「何ですか? アニメのなんかですか?」
「アニメのなんかってどういうこと?」

お互いに頭に「???」を飛ばしあう結果に。
なんと、彼女は「痛車」などの「イタ」だと思ったらしいです。
おいおい。
隔世の感がありますなぁ。

約20年ほど前の元町近辺にたくさんあった「カジュアルイタリアン」や「パスタ屋」はバタバタと店を閉めていきました。
私の勝手な推測ですが、トレンドの移り変わりだけじゃなくて、バターやチーズが値上がりした頃から店が減ったように感じています。
採算が合わなくなっていったんじゃないかなぁ。
今でもイタリアンレストランはそこそこありますが、昔ほどカジュアルではなくて、フレンチみたいにコースをきっちり出すような、そこそこの値段のイタリアンが主流なように思います。

かつて私が大好きだったイタリアン・レストラン「オステリア ガウダンテ」も数年前に元町からハーバーランドへ移転してしまいましたし。
(遠征のおでんちゃんがハーバーランドへ観光というのも考えにくいですが、もし行かれる方がいたらおススメのお店です。)
gaudente.jp

ランチでは1,000円以下のものしか食べない私にとって、ランチで食べられるちゃんとしたパスタは消えつつあるのね、と寂しく思っていましたが、去年くらいから新しいお店がボチボチできてきました。
時代は変わるものだけれど、時代はめぐるものでもあるんですね。


最近の私の一番のお気に入りが、元町商店街南京町メイン通りの間の路地にあるPagot。
sp.raqmo.com

イタリアンではなくカフェなんですが、美味しいパスタを出してくれます。
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Aランチは980円(税込)でサラダ付き。
この日選んだパスタは、神戸牛スジと奥丹波産有機卵のカルボナーラ
慌てんぼうな私は写真を撮る前にうっかり卵を崩してしまいました…。
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それにしても、このクオリティで1,000円でお釣りが来るのは本当にありがたい。
パスタのほかオムライスも選べるんですけど、こちらも人気です。
ちなみに同じパスタが夜だと1,280円。
夜もセットがあって、とてもリーズナブルです。

オープンしてしばらくはお客さんがそんなにいないこともあったんですが、最近のお昼時は満席続き。
私は、Pagotか隣の劉家荘か、どちらか空いているほうでランチを食べてるんですが、どちらも満席で行列していることが増えました。
お店には繁盛してもらいたいけど、客としては人気が出すぎてあんまり混むのは寂しいです。
わがままですけどね。


もう一軒、こちらも昨年新しくできたイタリアンレストランのTimo。
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ワインセラーがある本格的な雰囲気のお店です。
hitosara.com

1,000円(税別)のパスタランチにさえ、こんなちゃんとした前菜がついてくる!
フォッカッチャも自家製ですよ!
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この日食べたのはサーモンとブロッコリーのパスタ。
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私はまだお昼休みに慌ただしくランチを食べるばかりですが、いつか夜にゆっくりと、ワインとともにお食事を頂きたいお店です。


おまけにもう一軒。
Timoから西へ歩いたところにある7stock。
r.gnavi.co.jp

こちらのお店も、この内容、この美味しさでランチが950円!(税込)とうれしくなるお店です。
1000円札を渡して、50円のお釣りを渡してもらうときに、すごく豊かな気持ちになれます。
カウンターだけのお店なのでいつも混んでいて、入れるかどうかは運次第。
夜も何度かお邪魔しましたが、夜のメニューも魅力的ですよ。
…とここまで書いて気が付きましたが、残念ながら日曜日は定休日でした。
ライブの前後にどうぞ、とは言えませんでしたね。ごめんなさい。


そうそう、いつも満席で入れないといえば、とまと座というパスタ屋さんもあります。
www.tomatoza.com

…と、つらつらよくよく考えてみたら、リーズナブルで美味しいパスタのお店はまだまだ元町近辺に存在するのでした。
よかった、イタ飯万歳!

本棚が見たいカフェとカレー屋

もう20年くらい前になりますが、『本棚が見たい!3』という本でオーケンさんの本棚が取り上げられたことがありました。

本棚が見たい!〈3〉

本棚が見たい!〈3〉

橋本治唐十郎市川崑といった錚々たる面々の中で、我らがオーケンさんは企画以来最年少だったそうです。
当時は、文学界とか学識者とかの大御所たちから、オーケンさんは若者のオピニオンリーダーとして注目される存在でしたので、異色と思われるこういう企画にもときどき登場されてたんですよね。
筋肉少女帯『キラキラと輝くもの』のアルバムジャケット=高橋葉介江戸川乱歩『パノラマ島奇談』の表紙絵、というのが紹介されているので、筋肉少女帯のファンの方なら、ああそれくらいの時代か、とピンとくるかもしれません。

掲載されているインタビューを久しぶりに再読すると、高校時代に安部公房箱男』を読んでいて教師に見つかったエピソードを話しておられました。
え、それって去年京都SOLECAFEのMCで語っていたのと同じ話やん!
20年前と現在がつながってびっくり。

ていうか、語る本人も覚えちゃいないが、聴くファンも覚えちゃいねえ!

まったく、オーケンさんはラッキーですよ、落語のように同じ噺を何度してもファンは笑えるんだもの。
(何を言っても、言わなくても、姿を見るだけでも喜ぶのが煮崩れたおでんですが。)

ちなみに、本の中で掲載されているのがこちらの本棚。

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私の画像が下手くそでわかりづらいと思いますが、ちくま日本文学の寺山修司が2冊あったり、『極道忍者 ドス竜』が2冊あったり、『空手バカ一代』の巻がとびとびだったり、よぉーく見るといろいろ気になります。
それ以上に、普段からこんなにキレイに整理してるのかなぁ、取材に来るから自分で片づけたのかなぁ、それとも編集者たちが撮影のために片づけてくれたのかなぁ、とファンとしてはそのあたりも気になるところ。

お片付けができるかできないかはさておき、オーケンさんらしい本棚で今見てもほほえましくなります。

作家にかかわらず、本棚は人となりを象徴するものですが、それは飲食店も同じ。
お店に置いてある本のラインナップを見れば、そこのご主人の人となりがわかるってもんです。


そこで、今回は元町近辺で本棚が気になるお店をご紹介します。

私が最も、「これは!」と思ったのがこちら、Tea Room Mahisa 元町店。

www.o-cha-ya.com

Webサイトを見ていただくとわかるとおり、三宮元町近辺でオシャレさん御用達の紅茶のお店です。
ランチメニューも、スコーンにキッシュとオシャレ。(いずれも980円)
入り口はこんなかんじ。

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オシャレ地獄といっても過言ではないオシャレカフェ、と思っていたら本棚が目に入りました。
まず、ハーブの本。
それはわかります。ハーブティーだってあるし、オシャレさんはハーブ食べますから。
でも、それに並んで『マリファナ・ハイ』があるので、「ん?」と気になってきました。
90年代サブカルチャーの本棚には必ず置いてあったなぁ、この本。

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続いて、開高健沢木耕太郎藤原新也、近藤紘一といった旅行記が並ぶ棚。
ちょこちょこと、太宰治三島由紀夫カフカといった文学がはさんであり、ふーん、となります。
そして、中原中也寺山修司宮沢章夫、ときたあたりで、確信が出てきます。
明和電機中島らも町田康とくれば、もう間違いない。
隣の棚も覗くと、手塚治虫永井豪諸星大二郎のマンガも。

ズバリ、ここの店主はオシャレさんの皮をかぶったサブカル野郎だ!

そんなことを考えて一人ほくそ笑んでいたら、運ばれてきたランチのカレー(こちらも980円)を画像も撮らないでうっかり食べ始めてしまいました。

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食べかけの画像でごめんなさい。
でも、上に乗ったパパド(インド料理の薄いせんべいみたいなもの)と多めのパクチーに、上記の旅行記とつながる雰囲気がありませんか?

そうそう、私の隣のテーブルでは、若い女性二人がお紅茶とスコーンでおしゃべりを楽しんでいたのですが、
「彼女、肩こりを治したくって通ってたんだけど、やっと覚醒したみたいで、宇宙人も受け入れることができるようになったみたい」
「よかったね~」
という会話が聴こえてきて、思わずカレーを運ぶスプーンが止まってしまいました。
オシャレさんの皮をかぶったオカルトかよ!?

一見すました人でも内実はわからないのが神戸のカフェってもんです。


もう一軒、本棚が気になるお店があります。
元町駅北側、兵庫県公館の南にあるカレー屋さん、サトナカです。

元町サトナカ

食べログ 元町サトナカ

こちらもとってもコジャレたお店で、カレーも美味しいです。

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オシャレさと美味しいカレーだけだったら普通なんですが、なぜか店内には吉田戦車のマンガばかりが置いてあります。
ていうか、カウンターには各席に2冊ずつ、吉田戦車が提供されているのです。

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なぜ吉田戦車!?

意外ですが、飲食店に吉田戦車はよく合います。
待つ間ひと笑いして、料理が来たらすぐ本を閉じ、カレーに取り掛かれるというのがメリット。
ストーリーものだと、こう素早くはいきませんから。

ちなみにこの日私が食べたのはきのこチキンカレーの並750円。
きのことチキンと吉田戦車がカレーにベストマッチでした。

ブログ再開!いつか春の日の元町へ!

お久しぶりです!

昨年秋、大好きなオーケンさんが元町にやってくるのを記念してこのブログを開設し、終了とともに最終回にしたのですが、なんと!この春再びオーケンさんがやってくることになりました!

こんなに早く再降臨されるとは!

うれしい!!!!

 

というわけで、ブログを再開することにしました。

 

前回紹介し足りなかった元町のあれやこれやをオーケンさんとおでんの皆さんにご紹介していきます。

オーケンさんはおそらく徳島から神戸に入られて、そのまま東京に帰られる流れではないかと思いますので、悲しいかな、神戸に滞在される時間は短いかもしれません。(←あくまで推測。)

その代わりと言っちゃなんですが、遠征組のおでんの皆さんには、ぜひ元町界隈を満喫して帰っていただきたいなと思います。

 

ちなみに、前回このブログを書いていて一番うれしかったのは、漫画評論家の村上知彦氏にリツイートしてもらったことでした。(「おでんではありません」とおっしゃったのには笑いましたが。)

マンガ夜話』が見たくてBSを導入した私にとって(もちろんきっかけはオーケンさんが出演されていたからですが)、漫画評論家というのは一種のサブカルスター。

今は漫画評論なんて当たり前の時代ですが、昔はその見識と着目点にワクワクしたものです。

私は世代ではないので読んだことはないんですが、村上氏が編集長をされていた『プレイガイドジャーナル』は関西のサブカルチャーの土台を作った雑誌と聞いていますし。

 

とととと、話がズレてしまいました。

 

オーケンさんがやってくるのは、2017年4月9日。

ツアータイトルは、「いつか春の日のどっかの町へ」。

 

春!

オーケンさんが春とともにやってくる!

 

9日ごろだと、もう桜は散ってる? いや、まだちょっとは残ってるかな?

会場であるBo Tambourine Caféがあるトアウエストエリアに、三四公園という公園があります。

三四公園には桜の木があって、毎年春になればプチ花見ができるのです。

今はこんなかんじだけど、奥にある木が桜の木なの、わかりますかねぇ?

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近くにはテイクアウト専門のコーヒーショップが2軒あります。

今流行りのサードウェーブ・コーヒー店というんでしょうか。 

なので、コーヒー片手にお花見、というのを今回ご提案しようと思います。

 

まずは、三四公園に最も近いRAVO BAKE COFFEE(ラボベイクコーヒー)。

retty.me

コーヒー以外にマラサダとかいうお菓子が一押しのようですが、見た目すごいカロリー高そうなんで、私はまだ食べたことがありません。 

 

それから、公園から少しだけ東に歩いたところにあるCARRERA COFFEE(カレラコーヒー)。

www.instagram.com

 

私はランチの帰りにときどきコーヒーを買うんですが、どちらのお店で買うかはたいてい待っている人の数を見て選んでいます。

とはいえ、最近はカレラコーヒーで買うことが多いかなぁ。

お兄さんの愛想の良さと、コーヒー豆へのこだわりに脱帽です。

ただ、カレラコーヒーは美容室の入り口にあるので、初めての方はちょっと戸惑うかもしれません。

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そうそう、昨年のライブでは、Bo Tambourine Caféの入り口に子猫がチョコチョコしていて、みんな目を細めて見守りましたが、三四公園にも猫がいっぱいいます。

野良猫が多いのは近隣からするとあまりよくないことかもしれませんが、眺める分にはカワイイものですよね。

公園で日向ぼっこしている猫とお花見するのも、春の元町の楽しみ方です。

 

三四公園は近さという点で抜群の立地ですが、もし三四公園のベンチがいっぱいなら、もうひとつおススメのスポットがあります。

元町駅から北に歩いたところにある、兵庫県公館のお庭です。 

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自由に入れますし、庭にはベンチもあります。

ちゃんと手入れが行き届いた草花はもちろんですが、兵庫県ゆかりのアーティストによるオブジェ作品があるのも楽しいです。

特に、しょぼくれたワンちゃんのオブジェが、ルネサンス様式の建物とミスマッチでなんとも味があるんですよね~。

 

www.tripadvisor.jp

 

ああ、今から春が待ち遠しいな~。

ありがとうございました。

昨日はとうとう、オーケン弾き語りハチドリツアー最終日こっそり神戸で編でした。

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私が事前に知人から聞いていた情報と違い、厨房の奥からではなく、オーケンさんは登場も退場も玄関から、というサプライズ。
その出で立ちがあまりに可愛らしくて、おでんたちがグズグズに煮崩れたのは言うまでもありません。

レポートは苦手なので珍しかったことだけを書きますと、今オーケンさんが読んでいる本の紹介と朗読のコーナーがありました。

まず最初に、柳沢健さんの『1985年のクラッシュギャルズ』について。

そして、その本の中でも紹介されている某女子レスラーがサポートした某アイドル(でも実は某AV女優)についての話。
彼女が歌った曲が、オーケンとウッチーがカルトだと認めていた曲がリンクした話。

petitlyrics.com

そして、もう一冊は、沢木耕太郎『旅する力 深夜特急ノート』。
沢木耕太郎『旅する力―深夜特急ノート―』


その中で言及されていたのが、ポール・ニザン『アデン・アラビア』。
解説つきで紹介されているブログがこちら。

thomas-aquinas.cocolog-nifty.com


クラッシュギャルズからポール・ニザンまでかなりな幅ですが、結論として、
「困難な時代に心の支えになるのはきょうようである。皆さん教養を身に付けましょう」
という話。
ポカンとなるおでん。
「バカばっかりかぁ!!」
と罵倒するオーケン、罵られてシュンではなくキュンとなるおでん、というお約束SMプレイ。


なぜ玄関から登場されたかというと、控え室も楽屋もないからで、第一部と第二部の幕間も、オーケンがはける場所がありません。
「ここにいるしかないんだよね。客席の真ん中に座るとか。それじゃ笑点のオープニングだよ!」
などと言いながら、仕方なくその場で休憩。

その間、店のジュークボックスで、今後オーケンさんがやってみたい音楽の方向性に近い曲を皆で聴くことに。
それが、かまやつひろしゴロワーズを吸ったことがあるかい』。

www.youtube.com


私もこの曲は大好きですが、4番のくだり、
「君はある時何を見ても何をやっても何事にも感激しなくなった自分に気がつくだろう」
というところを聴くといつも、中田カウスボタンの、
「風邪を引いた風邪薬に風邪を引いていない風邪薬を飲ませて風邪を引いた風邪薬の風邪を治して…」
という漫才のネタを思い出すのです。
(これまで何人かに話してみたんですが、共感してくれた人は誰もいませんでしたね…。)

ちなみに、別の日に撮影した店内の画像ですが、青い箱がジュークボックスです。

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ラストの曲は特撮の名曲『じゃあな』。
お別れにこれほどぴったりな曲はありませんよね。

曲が終わると、オーケンさんは「また神戸に来ます」と言って、パーカーを来てマフラーを巻いて、去って行かれました。
みんな、あまりに季節を先取りしたマフラーにややビックリしましたが、先日までお風邪を召されていたそうなので、過剰に暖かくされてたんでしょう。
(風邪のためお酒を控えていたところ、神戸に来てから風邪が治ってお酒も解禁、「ボブ・ディランノーベル賞オーケンはノーメル賞」!!!)


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「また神戸に来ます」がほんとに実現されますように。
心より願って待っています。


ちなみに、このブログはこれで最後です。
読んでくださった方、ありがとうございました。



メインブログとして、『3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録』というブログをやっていますので、よかったら読んでやってください。

naminonamimatsu.hatenablog.com

元町の喫茶店とコーヒー店

とうとう本日になってしまいました!!

最後の最後、やっぱり元町の喫茶店だけは紹介しておきたいとギリギリの更新をいたします。

オーケンさんが原稿を書いてるイメージの、いい感じの喫茶店も、元町にはけっこうありますからね。

まず、私が一番好きな喫茶店は、元町駅の西のほうにあるホープ洋装店。

民家を改装してるお洒落な店内、70年代フォークなどの素敵な音楽、ちゃんとしてるのにリースナブルな珈琲と食事。

どれをとっても満点。

難を言えば分煙してないことだけど、昔はコーヒーとシガレットがセットだったから我慢するしかありませんね。

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鯉川筋で、本当に美味しい珈琲を出す店といえば、御影ダンケ。 秋元康も取り寄せているというバターブレンドコーヒーの、豆の力もさることながら、見るからに頑固そうなオヤジさんが見せる淹れかたへのこだわりと技も相当。 指揮者の佐渡裕さんも著作の中で、ダンケのコーヒーについて触れてるくらいですから、ここのコーヒーがホンモノだということは間違いなし。  

mikage-danke.jp

 

あと、駅の南にあるエビアン珈琲は、古きよき喫茶店。 映画やドラマのロケなどにも使われているそうです。

私が気づいたのは、『マイバックページ』だけですけど。

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神戸 エビアン珈琲・スイーツ

古きよき喫茶店風に新しくできた喫茶店がモトマチ喫茶。  

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tabelog.com

店内で飲むのはなくテイクアウトだけになりますが、珈琲好きがこぞって買っているのがグリーンズ。

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www.greens-kobe167.jp

 

ほかにも、神戸の珈琲屋さんの代表にしむら珈琲とか、日本最古の珈琲屋だったらしい放香堂珈琲とか、もっとあるけどこのへんで。 今日がすばらしいライブでありますように!

元町スイーツ王国

とうとう明後日となってしまったFOK。

前回、オーケンが神戸に来てくれたときの会場は神戸VARITでしたが、そのときのMCで、「スイーツを食べようと思って、ミルフィーユを食べた」と言われていたのを覚えています。

というわけで、もう時間的に最後の更新になりそうな今回は、イートインができるスイーツ店を、できるだけたくさんご紹介しようと思います。

 

まず、最近人気が高まっているイマドキのお店2軒。

元町の南のほう、栄町というエリアにあるオシャレすぎるパティスリー、モン・プリュ。

www.montplus.com

 

そして、新しくオープンしてから人気上昇中のAKITO。

kobe-akito.rd.shopserve.jp

ここはソフトクリームが大人気。

元町駅から西に歩いたところにありますが、このスイーツ激戦区でニューカマーなのにこの人気って相当すごい気がする。

 

反対に、老舗で神戸を代表するスイーツ店といえば、元町商店街内にある、本高砂屋、神戸風月堂、グレゴリー・コレの3店。

3店が仲良くすぐ近くに並んでます。

www.hontaka.jp

fugetsudo-kobe.jp

【パティスリー グレゴリー・コレ】

 

ケーキ屋さんって、お互い近くに店を構えるほうが相乗効果があるんでしょうか?

その3店からさらに西へ西へ歩くと、商店街から南に入ったところ元町ケーキ。

www.kobelco2103.jp

元町ケーキは「ざくろ」という、素朴なイチゴのケーキが代表的。

神戸っ子には、ケーキといえば「ざくろが好き!」という人がけっこういます。

お手軽な値段だし、子供のころに親しんだ味なんでしょうねぇ。

 

さらにそのちょっと西にパオデロ。

tabelog.com

絵本のようなデザインのかわいい店内で、ゆったりとケーキが食べられるお店です。

元町ケーキはけっこう万席なことが多いのですが、すぐ近くだけど、こちらは穴場。

私はどちらかというと、パオデロのほうが好きなんだけどな~。

 

近くにかたまっているといえば、元町の南から三宮側に歩いたあたりにも。

パティスリー・トゥーストゥースに、ボックサン。

www.toothtooth.com

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Bocksun 神戸洋藝菓子ボックサン

ボックサンはなんといってもロールケーキですかねぇ。 

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ボックサンの向かいにあるケーニヒスクローネなんか、とうとうホテルになっちゃいました。

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夜に撮った写真だからわかりにくいかなぁ…。

 

というわけで、駆け足でご紹介しました。

「じゃあどの店がおススメなの!?」という声が聞こえてきそうですが、私、スイーツは何を食べても美味しいと思ってしまうので、どこの店が美味しいのか美味しくないのかがわからないんです…。

雑な紹介でごめんなさい。

 

ともあれ、明後日が楽しみです!

震えて待つぜ!

元町には、ちんき堂がある。

私にとって神戸元町という街を誇らしく思う理由は、「ちんき堂が元町にあるから」という点につきます。

chinkido.com


ちんき堂というのは、元町穴門商店街にある古本屋さんで、店主は『猟盤日記』などの著作で知られる戸川昌士さん。

猟盤日記

猟盤日記

東のタコシェ、西のちんき堂、と並び称されるサブカル本屋さんなのです。(称しているのは私ですが。)
ちんき堂の「ちんき」は漢字で書けば「珍奇」。
神戸古書界のヴァンダーカマーというわけ。

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ちんき堂は裸のおじさんの看板が目印ですが、これはヘタウマの帝王、キングテリーこと湯村輝彦画伯によるもの。
ちんき堂の宣伝用ポストカードなども全部湯村画伯のイラストです。

戸川さんが書く文章も面白いのですが、お人柄が大変すばらしく、知識の広さと深さ、センスの良さ、何をとっても脱帽します。
店にお邪魔してお話を伺っていると、やっぱりプロの目利きは違う、と思うことばかり。

ヘタウマの流れで言うと、戸川さんは特殊漫画根本敬先生とも交流があって、根本先生の作品もよくちんき堂で売られています。
一度、戸川さんと根本先生がジャケットを描かれた空手バカボンの『孤島の檻』の話になりました。

孤島の檻

孤島の檻

「私、ナゴムソノシートは全然持ってなくて、『孤島の檻』のソノシートが欲しいんです」
と言う私に、
「あれはソノシートちゃうで、EPやったと思うけど」
と即答の戸川さん。
「昔はよう出てたんやけどな。最近出てないな」
とも。
なんちゅう知識の深さ!

そして、
「あの原画が欲しいんやけど、根本にきいたら、誰かにやってもて今どこにあるかわからんのやて」
と、私とはレベルが違うウォント!
さすが戸川さんです。

ちなみに、ちんき堂のWebサイトはちょっと古いようなので、最新ニュースはブログ「ちんき堂ニュース」からどうぞ。

ちんき堂ニュース



そのちんき堂のお弟子さん筋と言われる古本屋さんがトンカ書店

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女性の店主らしい、可愛らしいお店です。

[神戸]ザックバランな古本屋・トンカ書店


トアウエストにあるので、Bo Tambourine Cafe からはこちらのほうが近いかもしれませんね。


ほか、元町高架下にはいくつか古本屋さんがありますが、ここは!ということはなく、ほかに元町で特筆すべきサブカル系古本屋さんといえば、レトロ倶楽部くらいでしょうか。

レトロ倶楽部 神戸・元町 よんどく


ずいぶん昔ですが、ミュージシャンで作家の中原昌也さんが神戸に来られた際、元町の古本屋さん・中古CD屋さんにご案内したことがあるんです。
何軒か回った中でも、レトロ倶楽部での買い物が一番多かったと記憶しています。

というわけで、サブカル者の触角が動く代表的な古本屋さんをご紹介しました。
とはいえ、古本や中古レコードというのは、足で動いて数を当たって掘ってなんぼ。
コレクターの業は深いですから。